小川張りにはデメリットも……
ただし、小川張りにもデメリットがあり、タープとテントを密着させるために風の影響を受けやすいのです。タープの後方に密着させたテントにより、風が抜けにくくなりタープが煽られる可能性があるので、風の強い場所では注意が必要です。設営の際はガイロープをしっかりテンションかけて張り、抜けにくい丈夫で長めのペグを使うのがポイントです。
美しく見せるためにはタープは大きめのものを使用し、テントに密着させる左右のガイロープは短めにすること。テントの左右から出入りすることができなくなりますが、両サイドからの視線をカットすることができるので、プライバシーの保護にもなります。
前方が高くボリューム感があり、後方に向かって低くなる姿こそが小川張りの真骨頂で、立体感のある美しいスタイルが注目を集め、ちょっぴり「キャンプが上手い人」としていち目を置かれることでしょう。次のキャンプはタープとテントのレイアウトを工夫して、小川張りに挑戦してみませんか。テントのなかからタープ越しに臨む景色は、いつもとは違う新鮮なものになるはずです。
小川張りの亜流「カンガルー張り」もある
最後に小川張りと類似した「カンガルー張り」と言うスタイルもあります。基本的な考え方は共通ですが、小川張りに比べて大型のタープまたは大型シェルターのなかにコンパクトなテントを設営するというもの。大きな屋根の下にテントを張るといえば分かりやすいでしょう。
この名前はお母さんカンガルーのお腹の袋に包まれているようなイメージで命名されたと言われています。カンガルー張りのメリットはテントが二重構造になることで暖気が逃げにくく、寒さにも強いこと。寒冷地でのキャンプにおすすめのスタイルとしても知られています。
みなさんも快適なキャンプライフを満喫できる、小川張り、カンガルー張りに挑戦してみてはいかがでしょうか!