予定していたキャンプ当日、あいにくの雨になってしまった場合、とても残念な気持ちになると思います。でも、そんなときだからこそ、少しでも安心して過ごせるよう、サイトの設営時にはできるだけの工夫をしたいものですね。
ここでは、雨天のなかでテントを張る際、「いかに水はけをよくするか」をベテランキャンパーであるフリーライターの篠原義夫さんに教えていただきました。
凹地への設営は避けたい
雨天のなか、テントを設営する際は、場所選びが最も重要になります。水はけがよい場所の代表例は、砂利や芝生などのサイトです。反対に、「周囲と比べて、明らかに凹地になっている場所は雨水が集中しやすいため、避けましょう」(篠原さん)
もし、なかなか設営場所の見極めが難しい場合は、草の生え方に注目する方法があるそうです。「例えば、周囲と比べて芝生が少なくて土が露出している場所は、頻繁に雨水でぬかるんでいる可能性が高いため、注意しましょう」(篠原さん)
また、林間サイトなどで、斜面にサイトが設置されているようなケースでは、選べるなら、できるだけ上段のサイトを選びましょう。というのも、「雨水は斜面を伝って下方へと流れていくので、極端な水たまりができることは少ないと言える」(篠原さん)からです。
テントの周囲に溝を掘る際は許可をとること
テント内に雨水が流れ込むのを防ぎたい場合は、「テントの周囲に雨水を誘導する溝を掘るといいでしょう」(篠原さん)。サイトの高低差を考慮して、雨水が一カ所にたまらないように高い位置から低い位置へと流れていくように水路を作るのがコツです。
ただし、芝生サイトは溝掘り厳禁ですし、砂利や土サイトでも、溝掘りを禁止しているキャンプ場もあります。溝を掘る際は、必ずキャンプ場に事前に確認してください。なお、当然のマナーとして、撤収時には、掘った溝を元に戻すことも忘れないようにしましょう。
なお、設営時には、作業のしやすさを考えて、ふさわしい服装をすることが大切です。
レインウェアは、「ポンチョタイプは手軽に着用できますが、作業がしやすく防水性も高い、上下組のウェアタイプがおすすめです」(篠原さん)。また、靴は「長靴やレインシューズなど、足元をしっかりガードできる履物を利用しましょう」(篠原さん)
このほか、雨で濡れたテントやキャンプ道具などを拭くタオル類(汚れてもかまわないもの)、濡れたテントやタープ、衣類などを一時的にしまう袋(ゴミ袋や防水仕様のドライバッグなど)も用意しておくと重宝します。もちろん、濡れたテントやタープは、カビ防止のために帰宅後にきちんと乾かすこととも忘れずに。