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プロが教える万全の雨キャンプ対策【vol.01】雨水の浸入やカビの発生からテントを守るメンテナンス術

楽しい外遊びはソトラバで。アウトドアWEBメディア Soto Lover

  • テントのカンガルー張り
  • グランドシートの防水処理
  • 防水スプレーのイメージ
  • テントの設営

キャンプを楽しむなら、当然、晴れている日のほうがよいのは間違いありません。でも、アウトドアで自然を満喫する以上、天候の変化とも上手に付き合っていきたいですね。

晴れていれば、キャンプ道具類もとくに気を遣う必要はありませんが、雨天となると、濡れないようにクルマやテントのなかにしまったり、汚れが付かないように台の上に置いたりと、さまざまな対応をしなければなりません。

なかでもテントの役割は重要になります。テントのなかには荷物も置いてありますし、雨のなか一晩を過ごすわけですから、水がしみ込んだりしたら大変です。そのためにもキャンプに出かける前に、しっかりと防水対策をしておく必要があります。

ここでは、アウトドア活動に詳しいフリーライターの打越俊浩さんに、「テントの防水対策」について教えていただきました。

                   

                                       

防水スプレーや防水液でテントを守る

テントは、新品のうちは防水や撥水の処理がきちんと施されています。でも、しばらく使っていくうちに、どうしても防水性能は低下していきます。何も対策しないでおくと、そのうち生地に雨水が浸透し、それが内側に滴り落ちるなどして不快な思いをすることになりかねません。

そういった事態に遭わないよう、テントの防水対策はきちんと施しておきたいですね。

「手軽にできるテントの防水対策としては、テント用の防水スプレーや防水液を使う方法があります」(打越さん)。これは、テントの生地表面に吹き付けたり、塗ったりすることで、撥水(水を弾く)効果を復活させるというものです。撥水性能が下がると、テントの生地はベタッ〜と濡れた感じになりますが、撥水力があれば水滴となって弾いてくれます。

防水スプレーは、「そのまま吹き付ければいいので、使い方は比較的簡単」(打越さん)です。ただ、スプレー式なので、多少のムラが出てしまうなど、全体に均一に処理をするには少々手こずるかもしれません。

                       

                       

その一方、防水液は「ハケを使って、全体にムラなく塗っていく必要があります」(打越さん)。こちらはスプレー式に比べると作業の手間はかかりますが、丁寧に施せば均一に塗ることができるでしょう。それに「コスト的には防水液のほうが安い」(打越さん)そうです。

作業の手間やかかる費用についての判断は、人それぞれだと思いますので、自分に合ったタイプを選ぶといいでしょう。例えば、普段はスプレーで対策しておき、年に1回は防水液でしっかりとメンテナンスをする、というのもありかもしれませんね。

                      

防水透湿性の生地にはフッ素系を使う

また、これらの防水剤の成分には、シリコン系とフッ素系とがあります。打越さんによれば、「シリコン系のほうが持続性があって、しかも安価」ですが、「フッ素系は、通気性を損なわないのがメリットで、防油性もあります」と、両者は異なる特徴を持っています。

手軽に扱うならシリコン系、効果を高めるならフッ素系を選ぶのがよさそうです。なお、防水透湿性の生地を使ったテントの場合は、その効果を損なわないように、フッ素系を使うようにしましょう。

実際に作業をするときは、テントを建てた状態で行います。生地が汚れていたり湿っていたりすると、防水処理をしても効果が低くなってしまいますので、「まずは全体の汚れをしっかりと拭き取って、乾燥させてから始めてください」(打越さん)

なお、防水処理はテントの上部だけでなく、床のシート部分も念入りに処理しておきましょう。テント全体にムラが出ないように、丁寧に進めていくことが重要です。

                      

穴が開いていたらテープで補修しておく

このほか、テントの雨対策として注意したいのが、テントに開いた穴や縫い目からの水の浸入です。どんなにしっかり防水処理がしてあっても、穴が開いていては意味がありません。テントに穴が開いている場合は、専用のリペアテープを使って補修しておきましょう。「シール状なので、穴の大きさに合わせてカットして貼り付けるだけと簡単です」(打越さん)

また、縫い目にはもともと防水用のテープが貼られていますが、使っているうちに徐々に剥がれてきたりします。この場合も、「縫い目部分用の補修テープが販売されていますので、それを使ってリペアしておきましょう」(打越さん)

                    

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