ロープの収納時に役立つ結び方も覚えよう
ここまで、さまざまなロープの結び方をご紹介してきましたが、続いてはロープの収納について考えてみたいと思います。 キャンプで片付けをする際、外したロープを適当に丸めて袋などに入れてしまうと、ロープが袋の中でこんがらがってしまい、次回キャンプに行ったときにとても面倒なことになります。
スムーズに設営に取り掛かれるよう、「ロープのまとめ方」を覚えておきましょう。 「ここでは『棒結び』と『チェーンノット』の2つをご紹介します」(打越さん) 。
その名のとおりロープを棒状にまとめられる【棒結び】
「棒結び」は、ロープを棒状にまとめて収納できる、「ロープ収納方法の基本」(打越さん)です。ほどくときも簡単ですので、まずは、これを覚えておくのがおすすめです。
【結び方の手順】
手順01/まず、ロープを手に持って折り返しながら束ねていきます。
手順02/ある程度束ねたら、先端がある側から残りのロープを巻きつけていきます。
手順03/束ねたロープの下側まで巻いていきます。
手順04/下まで巻いたら、もう一方の先端を輪っかになった部分に通します。
手順05/巻かれている側の先端を引っ張ります。
手順06/すると、【手順04】で通した先端が引っ張られて締まります。
手順07/完成です。このような形にまとまります。
長さの決まりはありませんので、ロープの長さに合わせて、最もやりやすい長さを見つけてみてください。また、この方法は、さまざまなロープ状のものにも応用できますので、活用してみましょう。
「チェーン」=「鎖」状にまとめられる 【チェーンノット】
「チェーンノット」とは、ロープの一方をテントなどに取り付けたまま、残りのロープをまとめることができる結び方です。「チェーン」と呼ばれるように、「鎖」のような形状にまとめられるため、「結んだときの形もきれいです」(打越さん)。
【結び方の手順】
手順01/ペグから外したロープを、自在金具を動かして2本並ぶようにします。
手順02/テントなど固定されている側に近いところに輪を作ります。
手順03/ロープを通して輪っかを作ります。
手順04/作った輪っかに親指と人差し指を入れて、下側のロープ(2本)をつまんで、輪っかの中を通します。
手順05/通したロープに親指と人差し指を入れます。
手順06/【手順04】と同様に下側のロープをつまんで、輪っかを通します。この作業を繰り返します。
手順07/最後までいったら、余りの部分を最後の輪っかに通して引っ張って固定します。
手順08/完成です。このような形にまとまります。
鎖状にまとめていくため、少々手間のかかる結び方ですが、「ほどくときが非常に楽」(打越さん)というメリットがあります。写真で見てもなかなかイメージしづらいかもしれませんが、実際に手を動かしてみると、思った以上にすんなりとできるはずです。
ロープワークは、キャンプのみならず、知っておくと日常生活のなかでも応用できる場合が多いです。少しずつでいいと思いますので、ぜひ、マスターしてください。
【取材協力】
■監修:打越俊浩
■プロフィール:フリーライター。釣り、キャンプ、登山などのアウトドア系雑誌の編集、執筆、撮影を行う。プライベートな山行は、最近では低山が主流。釣りは鮎友釣り、渓流釣り、沖釣りなどを堪能して年間の釣行日数はトータルで30日ほど。