全身を有毒のトゲに覆われた、見るからに痛いオニヒトデ
一見無害そうなニシキミナシやハナブサイソギンチャクと異なり、見た目からして全力で警告を発しているかのような生物がオニヒトデです。長さ2~3cmもあるトゲに全身を覆われた、腕の数15本ほどのヒトデで、サイズは通常30cm前後で、大きいもので60cmにもなります。
日本では本州以南の太平洋の水深2m以下に生息しており、サンゴに覆いかぶさって胃袋を体の外に出し、その肉を食べます。時に大量発生して駆除も行われるほどです。
トゲに刺されると、腫れを伴う激しい痛みが生じ、のちに化膿します。処置が遅れると患部が壊死する危険性も。また、稀にアナフィラキシーショックを起こして重症化し、死に至ることもあるので最大限の警戒が必要です。
管足(かんそく)と呼ばれる足を使って、ヒトデのなかではよく動き回るほうですが、その動きはゆっくりで、向こうから襲ってくることはありません。ダイビングなどで遭遇しても、近づかないようにすれば問題ありません。ただし、たまたま触れたりぶつかったりした場所にいて刺されるケースがあります。
毒の主要成分はプランシトキシン。刺されてしまったら、傷口からピンセットなどで可能な限りトゲを取り除きます。さらに毒を絞り出してから、40℃以上のお湯につけて患部を温めます。その後速やかに医療機関を受診しましょう。
「もうどく展 ReMix」に多種多様な猛毒生物を見に行こう!
今回ご紹介した海の生物たちは、サンシャイン水族館で2023年11月5日まで開催されている特別展「もうどく展 ReMix」で展示されています。
人気の「もうどく展」シリーズの開催は今回で3回目。海の生物だけでなく、国内外に生息する虫やカエル、トカゲなどの陸上生物を含めた約25種類と、毒キノコの模型などを展示しています。
水族館オリジナルで設定した5段階の「毒レベル」を参照しながら展示を見れば、毒生物のもつ毒の恐ろしさについて想像がふくらみ、なんだかドキドキしてきます。
また、スカンクが肛門付近から放つ強烈な悪臭を調香師が再現した「スカンクの刺激臭体験」コーナーも、そのユニークさから話題となっています。
刺されたくはないけれど、なぜか怖いもの見たさの興味がそそられるもうどく生物たち。最初は恐る恐る眺めていても、毒をもつからこそ悠々とした生物たちが、しまいにはちょっぴりうらやましく思えてくるかもしれません。
【イベント情報】
■イベント名:特別展「もうどく展 ReMix」
■開催日:2023年3月17日(金)~11月5日(日)
■会場:サンシャイン水族館 特別展会場(東京都豊島区東池袋3-1 サンシャインシティワールドインポートマートビル屋上)