新緑が目にまぶしい季節の到来。爽やかな初夏の風を感じながら、ハイキングするには最適な季節です。この時期ならではの、色鮮やかで美しい緑の茶畑を眺めながら、新茶を味わうハイキングはいかがでしょう。意外な茶所もご紹介します。
市街地からすぐに行けるのどかな茶畑
神戸市内で唯一の観光茶園が、摩耶山へ続く登山道、青谷道にあります。最寄り駅である阪急神戸線王子公園駅から王子公園を通り抜け、海星女子学園の西側の道を登ってゆくと、馬頭観音で有名な妙光院が現れます。
登山道はそのすぐ先のカーブから始まり、急な坂道を20分ほど登ったところにあるのが「静香園」です。
青谷川に沿った傾斜地に茶の木が植えられ、山の清らかな空気のなかで大切に育てられています。茶の木の生育には、昼夜の温度差や霧の出る気候が適していると言われています。青谷川の谷沿いで、山の中腹という立地の環境が、美味しい茶を育ててくれるのです。
こちらの茶園では、茶畑を眺めながら淹れたてのお茶をいただくことができます。煎茶とお菓子のセットを注文すると、たっぷりの茶葉が入った急須が提供されます。
煎茶は、一煎目のみならず、二煎目、三煎目も楽しむことができますので、ゆっくり心ゆくまで味わって下さい。
お茶タイムを存分に楽しんだら、青谷道をハイクアップ。
歴史を感じさせる石段、巨木が点在する森のトレイルを楽しみながら、「旧天上寺史跡公園」へ。
山門跡から、長い長い石段を登っていきます。途中には、かつての塔頭の跡などが点在。次第に急になる階段を登りきると、パッと視界が開けます。
摩耶山頂を背景に広がる絶景スポット
摩耶山天上寺がかつて建っていた場所が、現在は「史跡公園」となっています。旧天上寺は、1976年(昭和51年)1月の火災で全焼。この地での再建が難しかったため、現在は山頂北側の「奥摩耶」に移転。また、この地は『太平記』に登場する摩耶山城の跡地でもあり、鎌倉時代から南北朝時代にかけて活躍した武将・赤松円心の碑などもあります。
史跡公園から山上へは、摩耶山頂を経るコースと、ロープウェイ駅のある摩耶山掬星台へ直接登るコースがあります。時間に余裕があればぜひ山頂経由で。
摩耶山掬星台は、大阪湾を眼下に見下ろし、神戸から大阪にかけて、遠くは紀州、淡路までを見渡せるビュースポット。ロープウェイ駅の2階には展望カフェもあって、景色を眺めながらゆったりと過ごせます。