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【日本クマ事件簿 vol.02】男性を死亡させたクマが女性2人にも重症を負わせる【北海道エリア】

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女性が振り向くと、3m後方にクマが立っていた

捜索中の警察車両がばったり出会った軽トラックに乗っていた女性2人は、上ノ国町の主婦・B(39歳)と同町のC(50歳)。Bは頭部に、Cは首や後頭部に重傷を負っていた。

2人は9日午前7時過ぎ、山菜を採るために入山。林道入口のゲートが開いていたため、そこから約30m進んだ場所に軽トラックを止め、鈴を鳴らし、杖を携帯して杉林の中を歩き出した。

Cはしばらく進んだところで背後に気配を感じたので、ふと振り向くと、約3m後ろの位置にヒグマが立っていた。そのまた後方にいたBに「クマだ!」と叫ぶと、同時にクマが飛びかかってきて気を失いかけた。

山地の傾斜で倒れそうになり振り返ったところ、後頭部や首をクマに噛まれ、それでも無我夢中で持っていた杖を振り回すとクマは離れた。Cの声を聞いて驚いたBは、慌てて後ろ向きで逃げ出した途中でつまずき、うつぶせに転倒。そこへ後ろから猛追してきたヒグマが頭頂部に嚙みついてきた。

最初に襲われたCはなんとか軽トラックまで戻り、ヒグマをBから離そうとクラクションを鳴らしたところ、ヒグマはBの毛髪らしき黒いものをくわえたまま走り去った。

ケガをした2人は自力で軽トラックに乗り込み運転し、病院へ行こうと走っていたところ、途中で現場付近を捜索していた警察車両と出会ったため、2件の事故が同一のヒグマによるものと断定され、改めてAの捜索が行われた。Bはのちに皮膚の移植手術を受けることになる。

女性2人が病院に搬送され、午前9時過ぎ猟友会会員ら3名が、川の左岸で遺体を発見収容しようとしていたそのとき、川の反対岸約20m先の笹薮の中からヒグマが現れた。ヒグマは人に対して威嚇せず、そのまま川を渡って真っすぐ3名に向かってきた。猟友会会員らが発砲したが弾は命中せず、ヒグマは左岸の林へ逃げ込むも、その後射殺された。

射殺場所は、遺体のある地点から40mほどの距離だった。クマは推定体重60~70kg、満2歳3カ月のオスの亜成獣。最初にAを襲ったのは「食べるため」であり、次に女性を襲ったのは、彼女たちが「獲物」のテリトリーに踏み込んだと思われ、そこから排除する目的で襲ったものとみられる。

                         


              

【データ】

■書名:『日本クマ事件簿』(三才ブックス)

■出版社:三才ブックス

■URL:https://www.sansaibooks.co.jp/shoseki/kuma.html

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