春になり、花を愛でる機会も多くなった今日この頃。もちろん満開の草花も楽しみだけど、そこでいただく美味しいものも魅力のひとつ。山歩きでも、地元の美味しいものがあると楽しみが倍増します。美味しい名物のある山へ、ハイキングに行ってみませんか。
ロケ地としても有名な名物団子~書写山(兵庫県姫路市)~
炭火でこんがり焼き上げて、タレをからめて仕上げてくれるのが、播州姫路の名山、書写山の山麓にある「書写山ロープウェイ山麓売店」の「書写だんご」。
もっちりとしたお団子はおおぶりで、食べ応え充分。タレは、味噌、醤油、きなこの3種類から選べます。ロープウェイで登ってもよし。全部で6本ある登山道のどれかを選んでハイクアップしてもよし。
山上にあるのは、天台宗の別格本山「書寫山圓教寺」という古刹。ハリウッド映画『ラストサムライ』や、大河ドラマ『軍師官兵衛』など、多くの映像作品のロケ地としても知られています。
懸崖造りの豪壮な「摩尼殿」のほか、国や県指定の文化財の建物も多く、見どころ満載。桜も多く、春はとくに見ごたえがあります。
摩尼殿の前にある茶店「はづき茶屋」は、草餅が名物。軽く焼いて温めてくれるので、中のあんこもほっこり。うどん、そばなどの軽食のほか、播州名物「姫路おでん」もいただけます。
奈良の名山を巡るなら老舗の伝統の味も~大和三山(奈良県橿原市)~
つきたてのやわらかい餅を串にさし、特製の蜜をからめて香ばしいきなこをたっぷりまぶしてあるのが、奈良の老舗「だんご庄」の「きなこ団子」です。
創業は1878年(明治11年)、旧高野初瀬街道の茶店として開業、参詣の人々に親しまれました。上質の新米を用いて、昔ながらの唐臼でていねいに搗き上げて作られます。
添加物を一切使用していないため、日持ちはしませんが、柔らかなお餅と香り高いきなこの風味は、しみじみ美味しくて、つい2本、3本と口にしてしまいます。
橿原神宮の背後にたたずむ畝傍山(うねびやま)、藤原京跡東側にある天香具山(あまのかぐやま)と、北側の耳成山(みみなしやま)の三山は、『万葉集』にも多く詠まれており、国の名勝にも指定されています。
一番高い畝傍山でも199mと、いずれも200mに満たない低山ですが、三山を巡るとそれなりに歩きがいがあります。