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「衝撃のアウトドア本」発掘レビュー! STRANGE OUTDOOR BOOK ~vol.1『洞窟おじさん 荒野の43年』~

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  • 2004年にベストセラーとなった洞窟おじさん
  • 洞窟オジさんこと加村一馬さん
  • 加村一馬さん洞穴生活

                   

ソトラバ読者のみなさんはじめまして! これまでアウトドアとはとくに縁のない、万年引きこもりのライター・とみさわ昭仁です。今回から始まる連載「衝撃のアウトドア本」は、広い意味での〝アウトドア〟を題材にした本の中から、ちょっと変わった切り口のものを取り上げるブックレビューです。この連載を通じて、ぼくがアウトドアへ出ていけるかどうか……はちょっと自信がありませんが、これからよろしくお願いいたします!

                

衝撃の実話! 43年間のサバイバル生活を描く

まず最初にご紹介するのは『洞窟オジさん 荒野の43年』。なんといってもタイトルがいい。

「洞窟オジさん」っていったら、髪はボサボサ、服はボロボロ、山の中の洞窟に住み、ウサギとか川魚とかを獲って食う。もちろん風呂にも入っていないから臭いんでしょ? ……と勝手に想像して読み始めたら、本当にその通りの人だったー!

 

本書の著者、主人公でもある加村一馬さんは、終戦の翌年、1946年に群馬県の大間々町で生まれた。8人兄弟の4男坊。血を分けた息子だというのに、何を疎まれたのか両親から度重なる折檻(いまの言葉で言うところの児童虐待)を受け、13歳のときに家を捨てる。家族の中で唯一心を通わせていた飼い犬のシロが追いかけてきてくれ、一馬さんはシロと一緒に足尾鉱山の廃墟に逃げ込み、そこで暮らすようになる。

 

              

食べられるものはなんでも食らう

1カ月ほどが経ち、家を出るときに持ち出してきた干し芋は底をつく。食い物を探さなければ生きていけない。河原や山の中をさまよい、口にできそうなものを探す日々。食えそうなものはなんでも食う。柿は渋くて食えなかった。川で捕まえたカタツムリは、焼いて醤油を垂らすと最高にうまかったそうだ。うん、ぼくもよくサイゼリヤでエスカルゴを食うよ。野外でよく見つかるのはヘビだ。毒蛇でなければ普通にうまい。

               

ヘビを食う、と聞いて思い出すのは小学生の頃のこと。ぼくが家で寝ていると、トラック野郎の親父が帰ってきた。今日は大量のヘビを運搬したらしい。配達先の人が1匹くれたので、会社の台所で身を割き、駐車場の焚き火で焼いてきたという。

「昭仁、ホレ、食え。うめえぞ」

星桃次郎と車寅次郎を足したような親父だったので、無理やり起こされて食わされた。なんの味もしなかったし、骨ばっかりで食えたもんじゃなかったな。

 

でも、洞窟オジさんこと加村一馬さんはそんな贅沢を言っちゃいられない。生で食う「ヘビのたたき」、焚き火にくべる「ヘビ焼き」、あとはマムシの首を鉈でぶった切ってちゅうちゅうと血を吸う「マムシの生き血」。ワイルドだねえ。とにかく食えるものはなんでも食う。

 

 

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