夏よりは少ないとはいえ、残念ながら「春のキャンプ場なら虫はまったくいない」というわけではありません。キャンプと虫は切っても切り離せないことを理解した上で対策する必要があり、苦手な虫の生息域や行動の特徴を知って、遭遇率を下げる方法を考えていきましょう。
蚊に出会う確率が格段に低くなる立地とは?
キャンプ場でよく見るヤブカ(正式名称:ヒトスジシマカ)は、白いシマ模様が特徴です。出没時期は4月~11月。とくに5月~10月に多くなります。
ヤブカは、日光が当たらず湿度の高い場所を好み、昼間に活動します。行動範囲は50~100m。人の血を吸うのは産卵期のメスのみで、ふだんは花の蜜や樹液などをエサにしています。
蚊を寄せ付けないためには、蚊取り線香を焚くのが非常に効果的です。とくにキャンパーのみならず、山仕事をする人たちに絶大な人気を誇るのが「パワー森林香」(https://www.sotolover.com/2023/03/918/)で、腰にぶら下げる携帯用のケースもあります。
また、虫よけスプレーで対策するのもよいでしょう。ヤブカは標高の高いところでは生息しにくいといわれており、標高1000m以上の高地にはほとんどいません。高原のキャンプ場なら、出会う可能性は格段に低くなります。
川キャンプで出会いやすいブヨ対策は長袖・長ズボン
3月~10月、とくに6月~9月に活発に活動するのがブヨ。ブト、ブユとも呼ばれます。北海道から九州、南西諸島まで全国的に生息しており、たくさんの木に囲まれ、日当たりがよくない場所を好むため、川沿いのキャンプ場などに多く発生します。
ブヨは湿度の高い梅雨時期から夏の終わりにかけて、活動が活発になります。この時期は発生数が多く、大群で襲いかかってくることがあるので注意が必要です。
ブヨも蚊と同じく、吸血するのは産卵期のメスのみ。皮膚をかみちぎって吸血するため、患部に出血をともなうこともあります。ブヨに対しては、長袖・長ズボンで肌の露出を抑えることが一番の対策になります。とくに足元が狙われやすいので、厚手の靴下などでしっかり対策しましょう。ブヨに効果のある虫よけスプレーや、ブヨやアブが苦手なハッカ油の併用もおすすめです。
また、天敵であるトンボ(オニヤンマ)にそっくりの模型を、帽子に付けたりテントに吊り下げたりする方法も、効果があるようです。