一見無縁とも思えるキャンプと恋。でも、実はキャンプには恋が芽生えたり、二人の距離が縮まったりする要素が満載です。とくに、危険がつきもののキャンプでは「吊り橋効果」が恋愛を後押しするケースも。
そこで、人間関係や恋愛の心理に詳しい専門家・晴香葉子先生に、具体例をもとに解説してもらいます。
思わぬ危険やアクシデントも味方に
突然ですが、「吊り橋効果」という言葉をご存じでしょうか? これは、吊り橋の上のような不安や恐怖を感じる場所で出会った人同士が、ともに時間を過ごすことでお互いに恋愛感情を抱きやすくなる、という心理効果のことです。
考えてみれば、キャンプは基本的に楽しいものですが、自然の中で行われるので、都会ではなかなか経験しないような危険やアクシデントと常に隣り合わせでもあります。もちろんキャンプ場では安全性が確保されているとはいえ、何しろ自然相手なので、天候の急変による突然の雨や思わぬ増水、招かざる動物の出現など、さまざまな不測の事態が起こり得ます。
そのようなとき、相手の気持ちに寄り添って、不安を取り除いてあげることができれば、あなたの評価や恋の行方も大きく好転します。実は、こうしたアクシデントが味方になってくれることもあるのですね。
恐怖心が恋愛時のドキドキ感と酷似
たとえば、滑りやすい山道や渓流沿いを歩くとき、つかず離れずの距離にいて、滑りそうになった瞬間にすかさず手を貸してくれる人がいたら、どうでしょう? 一気に「頼もしいな♪」と心強さを感じますよね。
これこそが吊り橋効果です。危険や恐怖を感じてドキドキする感覚が、恋愛したときのドキドキ感や「胸キュン」状態に似ているので、疑似体験になるのです。ある意味、勘違いともいえますが、ときめくきかっけにつながる可能性があります。
また、キャンプにあまり慣れていない都会育ちの女性にとって、キャンプ場ではよく見かける虫でさえ、天敵と感じるケースも少なくありません。発見して悲鳴を上げる女性に対して、「こんなに小さな虫くらいで?」と内心驚くこともあるかもしれませんが、恐怖を感じる対象は人それぞれです。黙って虫を取り除き、慣れた手つきでもう寄ってこないように工夫してあげれば、「困ったときに頼りになる人だな!」と印象づけられます。
こうした場面はキャンプにはいくらでも出てきますから、「いざとなったら助けてくれる、頼もしい存在」であることをアピールできる絶好のチャンスともいえます。そのためには、意中の人とはすぐに助けられるような距離感でいることもポイントですね。うっかり目を離している隙に、別の人に助けられて、そちらにドキドキしてしまったら、元も子もありませんから。
それと、あくまでもこれは不測の危険やアクシデントにいかに迅速に対応できるかという問題です。わざと危険なシチュエーションをつくって、それを助けるというのはもちろん絶対ダメですよ、念のため……。
【プロフィール】
■監修者:晴香葉子さん
■プロフィール:心理学者・心理コンサルタント・作家。民間企業勤務を経て心理学の道へ。心理学、コミュニケーション学、メンタルヘルスに関する確かな知識をもとに、テレビ番組の監修や出演、本の執筆、講演など各方面で活躍。早稲田大学オープンカレッジで「心理学」「行動経済学」「メンタルヘルス」の講師を担当。