はてしなく続く石段を踏みしめて──
歩き始めて約15分。どれぐらい登ったのかを確かめようと後ろを振り返ってみたら、堂々とそびえる烏帽子岳が目に飛び込んできました。
その麓には、阿蘇を象徴する観光スポット、草千里ヶ浜が広がっています。ちなみに、標高1337mの烏帽子岳も往復2時間ほどで登れるとあって人気です。
舗装された坂道はやがて階段になり、頂上まで続きます。あとから調べたところ840段あるとのこと。歩きやすいとはいえ、はるか先まで延びる石段をひたすら登っていくのは意外と体力を要します。パンパンになった太ももに活を入れながら、一歩、また一歩とゆっくり進んでいきます。
登頂のご褒美は地球のパワーを感じる雄大な景色
もうすぐ頂上に到着、というタイミングで休憩がてらもう一度後ろを向いてみると……、先ほどよりも草千里ヶ浜がよく見える! 直径約1kmの広大な草原にはふたつの大きな池があります。これは火口跡の窪地に雨水がたまったできたもの。草千里ヶ浜には牛や馬が放牧されていて、彼らの水飲み場として使われているそうです。
登頂開始からおよそ30分後、杵島岳の山頂に到着しました。短時間で登れて、なおかつ雄大な眺めが楽しめるというのはとても魅力的ではないでしょうか。山頂からは噴煙が上がる中岳や、その奥には阿蘇五岳の最高峰、高岳も見えます。地球の力強さを感じる風景を前にして、「これぞ阿蘇!」と思わずにはいられません。
次回の記事では、杵島岳の火口壁の上をぐるっと一周するお鉢巡りで、阿蘇カルデラの生命力あふれる姿を堪能したときの様子をご紹介します。