キャンプでパワーをプラスに
実は、この嫉妬に伴うパワーをプラスに使うのに、キャンプはとても適しています。嫉妬心が起こりやすいのは、クローズドの狭い世界にいるときです。物事を小さく、ネガティブに考えてしまうと、嫉妬心がむくむくと湧き上がりがちです。その点、キャンプで大自然の中に身を置けば、自分が「自然の一部」でしかないことを思い知らされ、謙虚になれます。何事にも動じず、大きく構えることができます。気持ちも明るくオープンになり、ダークな方ではなく、前向きに考えやすくなります。
また、キャンプでは力仕事がたくさんあるので、嫉妬で湧いてきたパワーをフルに使ってみてはどうでしょう? たとえば、重いものを率先して運ぶとか、薪を割ってみるとか、あり余るエネルギーを使う手段はいくらでも見つかるはずです。あるいは、一人で付近を走ってくるというのもいいかもしれません。夢中でパワーを使えば、くよくよ考えたり、あれこれ妄想を膨らませたりする暇もなくなります。
一方、あえて言葉に出すというのも一つの方法です。自然の中だと隠していたことも話しやすいので、「今、嫉妬しちゃったよ」とか「いいよな、あいつは……。あ、この気持ち嫉妬かも」などと、冗談めかして言うことで笑いに変えるのです。明るく嫉妬されると、された側も「実はちょっとうれしい」という側面があるので、「自己開示」とともに、想いが伝わる効果も期待できます。ただ、やはり限度はあるので、きちんとセルフコントロールすることが必要です。
嫉妬に狂ったり、悩まされたりするのは、精神的につらいでしょうし、時間的にももったいないことです。せっかく湧いてくるパワーなら、ぜひプラスのエネルギーに変えていきましょう。嫉妬に狂うその前に、キャンプをそんな風に使えたらいいですね。
【プロフィール】
■監修者:晴香葉子さん
■プロフィール:心理学者・心理コンサルタント・作家。民間企業勤務を経て心理学の道へ。心理学、コミュニケーション学、メンタルヘルスに関する確かな知識をもとに、テレビ番組の監修や出演、本の執筆、講演など各方面で活躍。早稲田大学オープンカレッジで「心理学」「行動経済学」「メンタルヘルス」の講師を担当。