自分以外の人への接し方も確認

もう一つ、キャンプのいいところは、相手が自分以外の人といるところを見られるという点です。自分にはやさしくて紳士的でも、お店の店員さんや見知らぬ人など、話す相手によって声のトーンや言葉遣い、態度などがあからさまに変わる人もいます。そういった他者とのコミュニケーションの取り方も、キャンプでのやり取りを見ればある程度把握できます。自分以外の人への接し方や距離感がわかれば安心です。　　　　　　　　　　　

ちなみに、人間はいいところよりもイヤなところが目につきやすいという性質があります。これは危機回避的な本能ともいえますが、そういうイヤな部分が見えたとき、それを許せるかどうかも重要なポイントです。もしそれが許容範囲内で、「たいして気にならない」「むしろ人間らしいな」と思えるようなら大丈夫。でも、「これはアウトでしょ」「ここは譲れないな」と思うなら危険信号です。　　　　　　　　　　　　　　

ただ、考えようによっては、それが早い段階でわかるのはラッキーなことともいえます。後からわかって「こんなはずでは……」とコミュニケーションギャップを感じて悩むよりも、早めになんらかの対策を講じた方が、二人の関係性にとってもプラスになります。　　　　　　　　　　　　　　　

将来どうなるかは誰にもわかりませんが、将来とは過去から現在までの行動の積み重ねです。少なくとも現在の姿を観察すれば、将来どうなりそうかという予想はある程度つくものです。もちろん決めつけはできませんが、「こういう行動を取りがちなこの人と、ずっと一緒に幸せに過ごしていくには……」という将来の見極めや対策の参考になるのではないでしょうか。

【プロフィール】

■監修者：晴香葉子さん
■プロフィール：心理学者・心理コンサルタント・作家。民間企業勤務を経て心理学の道へ。心理学、コミュニケーション学、メンタルヘルスに関する確かな知識をもとに、テレビ番組の監修や出演、本の執筆、講演など各方面で活躍。早稲田大学オープンカレッジで「心理学」「行動経済学」「メンタルヘルス」の講師を担当。