さまざまな動物とふれあえる関東屈指のレジャースポットが千葉県のマザー牧場。敷地内では16種類の動物が暮らし、愛らしい表情でゲストを迎えてくれます。魅力あふれるショーやイベントが目白押しですが、そのなかでもぜひ体験したいのが「ひつじの大行進」です。
たった一匹で大仕事をする牧羊犬に釘付け
牧羊犬に誘導されながら、約250頭のひつじが観客のそばを駆け抜けていく「ひつじの大行進」は、7月と8月を除いて毎日12時30分から行われています。開始時刻が近づくと、ひつじの牧場を目指してあちこちから人が集まってきます。
司会役のスタッフと羊飼いが牧場内に設置されたステージの上で話し始めると、どこからともなくワンちゃんが現れました。牧羊犬のランくんです。ストロングアイヘディングドッグという犬種で、名前の通り、目力の強さが持ち味。ランくんだけで、250頭のひつじをまとめあげるのだといいます。
いよいよひつじたちが厩舎を出発。羊飼いが犬笛を吹くと、ランくんはひつじのいるほうに向かって一目散に駆けていきます。そのスピードの速いこと!
だんだん近づいてくるひつじの大群は迫力満点!
250頭もいればひつじの性格も千差万別。目的地を目指して軽快に走る子もいれば、牧草をもぐもぐして動かなくなるマイペースな子もいて、隊列が崩れそうに……。ここからがランくんの出番です。道草を食うひつじに近づいて走るように促したあと、コースをはみ出したほかのひつじのところに向かって正しいルートに誘導。後方にも回って、遅れているひつじがいないかどうかのチェックも怠りません。
押し合いへしあいしながら、観客の前をものすごい勢いで通り過ぎていくひつじの群れ。そして全頭無事に、牧柵に囲まれた広場へとたどり着きました。
牧羊犬のランくんは吠えるのではなく、睨むことでひつじを動かしていました。スピードの調整だってお手の物。先頭のひつじを睨んで歩くペースを落とさせると、皆がそれに倣ってゆっくり歩きます。ランくんがその場から立ち去ったら、また元のように小走りに進み出します。
牧羊犬は、羊飼いの犬笛の指示を聞き分けて行動しているのだそう。1人と1匹の信頼関係がこのパフォーマンスを生み出すのですね。