思い出を視覚化し再生すると◎
もともと人間は、よい記憶より悪い記憶を想起しやすいという傾向があります。これはおそらく「嫌な出来事や失敗を思い出すことで、危険を避けたい」という生物学的な危機管理的欲求から来るものだと思われます。ということは、いい思い出は放っておくと忘れやすいので、できるだけ視覚化して思い出しやすくしておくと効果的です。
たとえば、キャンプのときに撮った写真を携帯の待ち受け画面にしたり、オフィスに飾ったりして、楽しかったことをすぐ思い出せるようにしておきましょう。そうすれば、その写真を見るたびに楽しくなり、気持ちもポジティブになります。
そして、こうしたよい共通体験を後から一緒に再生して確認することは、二人の仲をさらに深めるためにも非常に効果的です。
たとえば、キャンプが終わってしばらく経った後に、「あのときは楽しかったね」とか「あの日の〇〇はおいしかったなぁ」などと、一緒に写真を見ながら楽しかった思い出を語り合いましょう。
そうすることで、いい思い出が鮮明によみがえり、お互いにハッピーな気持ちになります。一人ずつ思い出すことも効果的ですが、二人一緒に思い出すことも大事です。過去の出来事の喜びを共有し、分かち合うことで、「二人が一緒にいることはよいことだ」という実感が強まり、二人の距離がより縮まります。
【プロフィール】
■監修者:晴香葉子さん
■プロフィール:心理学者・心理コンサルタント・作家。民間企業勤務を経て心理学の道へ。心理学、コミュニケーション学、メンタルヘルスに関する確かな知識をもとに、テレビ番組の監修や出演、本の執筆、講演など各方面で活躍。早稲田大学オープンカレッジで「心理学」「行動経済学」「メンタルヘルス」の講師を担当。