コロナ禍で極めた「野草料理」
──レシピ本も出されるほどお料理好きですよね。「野草料理研究家」の肩書きも持ちます。
「逗子で暮らすようになってしばらくしてから、敷地に生えているたくさんの野草を見て『これ、食べられるんじゃ……?』と考えるようになり、だんだん料理に使うようになりました」
「でもきっかけとして一番大きかったのはコロナ禍でした。最初の頃は、買い出しにもあまり行けない時がありましたよね。その時に、『野菜を買わなくてもそこら辺にあるもので生きていけるのでは?』と思って、いろいろと開発してみました。『野草だけでフルコース作ってみるか!』みたいな。そんなことをして遊んでいるんですよ」
38年間も売れっ子でい続けられる理由
──そういった遊び心も、長く第一線で活躍し続ける秘訣なのでしょうか。
「そうですね、インプットしないでアウトプットばっかりしているとすり減ってしまうし、だんだんやる気がなくなってくるので、気分を変えるために何か違うことを定期的にしてみることは大切だと思います。私は一箇所のところにいられないタチというか、気分転換しないと飽きちゃうタイプ。だから、色々と拠点を持って移動したりしているんです」
──最新作『うみねこ館の四姉妹』は、アトリエのある横須賀の海辺の町を舞台にした作品です。やっぱり好きな土地から得られる刺激は大きいのですね。
「そうなんです。最近は葉山や鎌倉など湘南を舞台にした作品や、よく行く長野を舞台にした作品も書いているんですよ」
「あと、この仕事をするのは体力勝負なところがあるので、精神的にも肉体的にも健康じゃないと長くは続けられないですよね。だから、家に閉じこもっていないで外で運動したり、遊んだりする時間は大切にしています」
【プロフィール】
■折原みと:少女漫画家・恋愛小説家。1985年にデビュー。代表作に『時の輝き』『アナトゥール星伝』『きみと100年分の恋をしよう』シリーズなどがあるほか、エッセイ、絵本、レシピ本など著書多数。プライベートでは海を愛し、2級小型船舶免許、ダイビングライセンスを持つ。茶道、華道、日本舞踊など和文化の習い事にも精を出す。横須賀を舞台にした小説『うみねこ館の四姉妹(1)』(ポプラ社)が4月5日発売。