あるといいけど、ありすぎなくていい
このキャンプ場で自然に包まれのんびりする時間に「…これこれ!」と思わずうれしくなる。
キャンプなんだから当たり前じゃないかと思うかもしれないが、純粋に自然の中でのんびり過ごせるキャンプ場は、意外とそう多くない気がする。
もちろん設備もしっかり充実している。炊事場は温水も出るし(うれしいポイント)、トイレには温水便座があり、シャワーも完備。それにどこか懐かしさも感じる管理棟と小さな売店。バンガローも今後使えるよう整備していくそうだ。
冷える夜を心配して毛布を貸し出してくれる心遣いもうれしい。キャンプ場に求める設備は揃っている。それ以上はないが、それだけで十分である。
キャンプの「その先」を探しに
キャンプはすごく自由な遊びだと思っている。最低限のマナーさえ守れば、これをしないといけないという決まりはない。
だからこそ飽きてしまったり、なにをすれば良いかわからないという人も少なくない。だけど逆にみれば無限の可能性も秘めているはずだ。キャンプと他の何かを掛け合わせてみたら……。
「来てくれた方それぞれが、その人なりのキャンプの楽しみ方を見つけてもらえたらうれしい。キャンプの可能性を追求していく実験の場にもしていきたい」そう佐久間氏は言っていた。
場内には様々な種類の木々があり、たくさんの鳥が訪れる。残念ながら見れなかったけれど、リスやフクロウを見ることもできるという。
豊かな自然を近くで感じられるフィールドだからこそ、できる遊びが沢山あると思う。この自然のなか、なにをして遊ぼうか。子どもも大人も肩書きも関係なく、自然と思いっきり向き合ってキャンプの先にある面白さを探してみるのもいいかもしれない。
キャンプの原点と未来
今は色んな形のキャンプ場が全国各地にある。それは良いことでもある反面、ふとキャンプ本来のよさってなんだろうかと考える。
ざわめく木々の音と鳥のさえずりを聴きながら、焚き火のゆらめきを眺める。ふと見上げた空に広がる満天の星に心奪われる。
ここはそんな初めて感じたキャンプの楽しさを思い出すような、原点に帰りシンプルにキャンプに浸ることができる、そんなキャンプ場だとも思う。キャンプ場の名前「be」がぴったりはまる。
まだまだ発展途上、これからが楽しみである。
【データ】
■住所:群馬県長野原町応桑1984-160
■プレオープン:2022年10月8日~11月末(終了)
■本オープン:2023年4月中旬頃~11月末頃(予定)
■URL:https://campismfield.jp/be-camp-book/
■著者:関根千種
■プロフィール:
埼玉県出身。イラストレーター・アウトドアフードスタイリスト。キャンプや自然素材のイラストを得意とするイラストレーター。また、飲食経験を生かしキャンプシーンのフードコーディネートやレシピ制作などを手がける。史上初の飯盒を使った上下段同時調理レシピ本を上梓。著書「ぜんぶ同時に出来上がる!飯ごうで作る絶品定食レシピ」、共著「ぜんぶ同時に出来上がる!飯盒2型絶品定食レシピ」(三才ブックス)。
■URL:https://sekinechigusa.com