川の水は念入りに煮沸するか携帯型浄水器を使う
「やむをえず、川の水を飲む場合は、しっかりと煮沸してから飲用するか、信頼のおける浄水器を使うことが重要です」と打越さんはアドバイスします。
煮沸する場合は、沸騰してからもしばらくの間(水質により、3分以上長めに)沸騰させ続けて、念入りに殺菌するのがコツのようです。
浄水器は、家庭でもよく使われていますが、アウトドア用に携帯できるタイプも販売されています。打越さんによれば、「最近では、渓流釣り師や沢登りをする人たちが携帯型の浄水器を持ち歩き、それを使って川の水を飲んでいることもあります」とのこと。
携帯型浄水器があれば飲料水を持ち歩く必要がなくなり、荷物の重量を減らせるというメリットもあるようです。
携帯型浄水器とはどんな製品なのでしょうか。「簡単に言えば、ボトルに入れた水を、フィルターでろ過してきれいにするアイテムです」(打越さん)。なるほど、ボトル形状なので、きれいになった水をそのまま飲むことができるわけですね。しかも「最近の携帯型浄水器は性能が上がっているので、持ち歩く人が増えています」(打越さん)ということなので、ちょっと気になる存在です。
では、どんな携帯型浄水器を選べばいいでしょうか。「やはり定評のある製品を選ぶことが大切です。アウトドアショップなど店頭で販売されていて、メーカーの説明書きなどが丁寧に用意されているものが安心です」(打越さん)
一見、無害に見える川の水ですが、眼に見えない危険が潜んでいるかもしれません。自然のなかで体調を崩してしまうと、最悪の場合、遭難してしまう可能性だってあります。「ちょっと喉を潤すだけだから……」と安易に口にせず、飲むなら万全の対策を。
【取材協力】
監修:打越俊浩
プロフィール:フリーライター。釣り、キャンプ、登山などのアウトドア系雑誌の編集、執筆、撮影を行う。プライベートな山行は、最近では低山が主流。釣りは鮎友釣り、渓流釣り、沖釣りなどを堪能して年間の釣行日数はトータルで30日ほど。