緊急時に飲み水を確保するには? 川の水をきれいにして飲む方法
言うまでもなく「水」は、私たちの生活において不可欠な存在です。アウトドアシーンにおいても、飲用はもちろん、手を洗ったり、調理に使ったりと、常に身近に備えているでしょう。
でも、何らかのトラブルが生じて飲み水が手に入らなくなるケースがあるかもしれません。
人は、1日に約2.5Lの水分を補給する必要があると言われていて、万が一の場合でも、なんとかして水を確保しなければなりません。では、そんなとき、どのように飲み水を確保したらいいでしょうか。
アウトドアに詳しいフリーライターの打越俊浩さんに、対応策を教えていただきました。
川の水をそのまま飲むのはとても危険
一般のキャンプ場であれば、水道(飲用)が完備しているので、通常は水の心配をする必要はありませんね。ただ、不測の事態に遭遇し、水が手に入らなくなるケースもないとはいえません。また、登山の場合、水筒を持って出かけても、途中で足りなくなってしまったり、補給場所が見つからなかったりといったことも起こりえます。そんなとき、真っ先に思いつくのが「川」です。川の水を飲用にできないものでしょうか。
ところが、打越さんによれば、「登山でも渓流釣りでも、緊急時以外は川の水をそのまま飲まない、というのが鉄則です」とのこと。確かに、川によって水質もさまざまですし、とくに細菌が心配です。
「一見、透き通ったきれいな川であっても、その水にはたくさんのリスクが潜んでいるかもしれないのです」(打越さん)
どんなリスクがあるのかというと、「その最たるものが感染症などを引き起こす細菌で、とくに有名なのが北海道のキタキツネが持つエキノコックスです。以前は、キタキツネだけが宿主と言われていましたが、最近では、本州の野犬にもその寄生が確認されています」と打越さん。
虫卵のいる水を飲んだ場合、人間にも感染してその致死率も非常に高いとのこと。むやみに川の水を飲んではいけないということですね。