打撲・ねんざ・火傷の手当は?
打撲やねんざなどのケガについては、怪我をした部位の出血や腫れ、痛みを防ぐための応急処置法「RICE」が基本です。
RICEとは、Rest(安静)、Icing(氷で冷却)、Compression(弾性包帯やテーピングで圧迫)、Elevation(患肢をあげておくこと)の頭文字からとった用語。RICE処置は四肢のケガに行います。
「足を捻ってしまった場合、捻挫や骨折だと現場で判断するのではなく、応急処置を行い、医療機関を受診しましょう。場合によっては骨が折れていたり、ひびが入っていることもあります。ビニール袋に氷を入れて患部を冷やし、できるだけ固定・圧迫し、患部を高く挙げて安静にすることを心がけてください」。氷がない場合は代わりに川や沢の水でもOKです。
そして焚き火や調理中など、キャンプで多い火傷の場合、まずは患部を「洗う」ことが重要です。
「まずは『洗う』こと。理由は火傷によって皮膚のバリア機能が失われ、雑菌の侵入によって感染症を引き起こす恐れがあるからです。これは擦り傷も同じです。よく洗ったら水気をとり、ワセリンを塗って乾燥を防ぎ、それから滅菌ガーゼを当てるなどの保護をします。食品用のラップやビニール袋を巻いてもOKです」
【監修】
中村富士美
■プロフィール:DiMM国際山岳看護師。WMAJ(ウィルダネス メディカル アソシエイツ ジャパン)野外災害救急法医療アドバイザー。山岳遭難捜索チームLiSS代表。救命センター勤務経験を活かし、現在は病院勤務を続けながら、野外や山岳地帯を中心に活動中。堀 香奈
■プロフィール:DiMM国際山岳看護師。急性期病院勤務。登山教室・山の診療所・登山帯同・トレイルランニング救護などで活動。看護師の視点で登山者の安全に貢献。