正しいサングラス選びは専門家に相談がベスト
次に、屋外でUVを防ぐとき一般的に用いられるのが帽子とサングラス。UVを100としたとき、目の紫外線吸収量を見てみると、何もつけない場合は約70%、帽子だけの場合は約50%、サングラスだけなら約20%、帽子とサングラスだと約10%を吸収します。やはり、日差しが強くなる時期、アウトドアに欠かせない帽子とサングラスは必要です。しかし、それでも安心は禁物です。
サングラスは正しい知識と目的を持って選ばなければ、せっかくかけても効果を100%発揮できないこともあります。もっとも多く誤解されているのは、サングラスのレンズの濃さに関して。それは、レンズの色が濃いほどUVカット率が高くなるという誤解です。
「現在、じつはどの眼鏡、サングラスでもJIS規格上、UVはほとんどをカットするように作られています。たとえ透明レンズでもUVカットはされています。ですから色の濃さとUVカット率が比例するわけではありません」
もうひとつは、レンズの色が濃いと瞳孔が開いてしまうので、かえってUVを吸収するという誤解です。濃い色の場合、表側正面から入ってくる光に対して確かに瞳孔は開きますが、それが問題なのではなく、後ろ側からのUVが逆にレンズの裏側に反射して目の中に入ってきてしまうことが問題なのです。
大切なことは、色の濃いレンズにした場合は、表面ばかりではなく裏面にもUVカットが施されたものを使用することです。各社レンズメーカーで、そのような製品が作られていますので、気になる人は眼鏡専門店でご相談を。
サングラスは、レンズの機能や色によってその効果や色に適したシーン、場所が異なります。「その人のライフスタイルに合った、正しいサングラスを選ぶことは、目を守ることにつながります」
次回は、さらに有害とされる青色光やレンズの種類についてのお話しです。
■監修者:兼子寿樹
■プロフィール:北海道出身。某大手眼鏡店勤務、認定眼鏡作製技能士。趣味のアウトドア歴は30年。釣りとキャンプの達人でもある。