【心構え03.】自分がいる位置を把握する
道がわからなくなってしまったら、地図やスマホのGPSアプリを使って、自分の居場所を確認することに努めましょう。とにかく冷静に、今いる場所を把握して、そこから正しい登山道に戻るまでの安全なルートを探し出すことです。途中、スマホで撮影した写真があれば、それを頼りにして記憶をたどりながら、来た道を引き返してみましょう。
【心構え04.】安易な方向へは向かわない!
人は、疲労がたまってくると、足は自然と下り方向に向かって進んでしまうもの。そして下っていけば、いずれは下山できるだろうといった考えが頭をよぎるものです。
ところが、”下る”ということは、かえって動く範囲を広げてしまうことになります。体力の消耗が少ないからといって、下りの道を選んで歩みを進めていくと、最悪の場合、谷に迷い込み、滑落や落水などのリスクが大きくなってしまいます。山岳遭難では、これが最もありがちな危険パターンなのです。絶対に安易な方向へは向かわないことです。
【心構え05.】周囲が暗くなったら絶対に行動しない
山道で迷ってしまったら「時間を把握すること」も重要になります。明るいうちは、見通しもいいですし、運よくほかの登山者を見かけることがあるかもしれません。でも暗くなってしまったら、多くの行動が制限されてしまいます。
そのため、戻る道を探しながらも、暗くなる前に安全を確保できる場所を探しておき、そこでビバーク(山中で緊急的に泊まる、夜を明かす)することも一つの選択肢となります。
山道で迷うことは、「一歩間違えると生命の危険」につながります。ここでは、登山中の心構えや、もしものときの注意点など、最低限知っておいてほしいポイントを挙げました。「無理をしない」「油断をしない」「安易に行動しない」。これらを守り楽しい登山、ハイキングを満喫してください。
■執筆:打越俊浩
■プロフィール:
フリーライター。釣り、キャンプ、登山などのアウトドア系雑誌の編集、執筆、撮影を行う。プライベートな山行は、最近では低山が主流。釣りは鮎友釣り、渓流釣り、沖釣りなどを堪能して年間の釣行日数はトータルで30日ほど。