冬のキャンプなら防寒着は一番はじめに検討しますよね。本格的な冬キャンプに向けて、今月のギア紹介では防寒着に着目します。まず1着目は、モンベルの「プラズマ1000ダウンジャケット」。ソトラバ編集部のベテランアウトドアライターが押す一着です。
優れた軽量性を実現した独自のデザインが魅力のダウン
モンベルといえば、その機能性と価格バランスの良さが人気のメーカーです。もちろんデザインも美しい。今回ご紹介するダウンのカラーは、ブラック、ワインレッド、ライトグレー、ブルーの4色展開。独特のキルティングステッチは、デザイン性を考えて作られたものかと思いきや、きちんと防寒のための理由があるのです。縫い目がある部分は、冷気が進入して抜けていく通り道になりやすいことから、この商品は縫い目を減らしました。そのことで暖かい空気を逃しにくくなるとともに、中綿の偏りも防いでいます。中綿が偏った部分は、やはり冷気が抜けていきます。縫い目が減ったことで軽量化にも貢献。この素敵なデザインが防寒と軽量に役立っているなんて、本当にすごいアイデアですよね。
また、軽量化に一役買っているのが、「バリスティックエアライト」という極薄のシェル素材。極細のバリスティックナイロン糸は、一般的な髪の毛より細いのに十分な強度を兼ね備えています。これを高度な技術で織り上げて、軽量コンパクトを実現しています。
もちろん、中綿のダウンは最高品質。一般的な550FPのダウンよりひとつひとつのダウンボールが大きく、小羽枝の密度が高い1000FPダウンを使用、熱の動きを遮断する空気を多く蓄えるので暖かく、綿量を45%も減らすことができます。
初冬のアウターとして、真冬の中間着として活躍すること間違いなしです。
※フィルパワー(FP)とは・・・ダウンが持つ「かさ高さ」を単位で表したもの。一般的には550~700フィルパワーのものが良質ダウン、700フィルパワー以上のものが高品質ダウンとされています。
編集部よりメーカーに質問してみました!
Q1.
ーー開発として一番に苦労した点を教えてください。
A1.
「熱が逃げる『コールドスポット』を少なくする独自のキルティングパターン開発のために、何度も試作品をつくり、テストし、時間をかけました。現在でこそ、ダウンジャケットのステッチを途中で止めたようなデザインはほかのメーカーでも採用している例がありますが、当時としては斬新なものでした」
このステッチは何度もテストされた結果のデザインだったのですね。
Q2.
ーーアウターとして着用すると、バックパックのショルダーが擦れる肩部分や、登山やスキーで枝に引っかかるなどして切れてしまうのも気になります。生地の耐久性について具体的に教えてください。
A2.
「細いながらも高い強度を持つ極細ナイロン糸を高密度に織り上げた7デニール・バリスティック エアライト®ナイロン・リップストップを生地に採用し、想定される使用での耐久性を確保しています。アウターとして着用したまま藪漕ぎ(やぶこぎ)するなどの想定はしておりません」
通常のアウトドアワークでしたら、問題ないようです。薄くても、丈夫なのですね。
【商品情報】
■モンベル プラズマ1000ダウンジャケット
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1101493